恵比寿の小さなギャラリー


恵比寿にある小さなギャラリーです。日々に"風"を運んで来てくれる作品を展示いたします。

2019/06/19

あまのさくや個展「小書店」-はんこと物語のある書店-



あまのさくや個展「小書店」-はんこと物語のある書店-

2019.06.17(月)-23(日)  
時間:11:00-20:00

絵はんこ作家のあまのさくやさんによる3年ぶりの個展です。
今回のテーマは…
「小書店」-はんこと物語のある書店-

いろんな形の書店がありますが、書店にあるのは本だけじゃない。
文房具があったり、 本にまつわる雑貨があったり。
用事がなくてもつい立ち寄ってしまう。そんな人は多いのではないでしょうか。

何種類かの本が積んである中で、ふと手にした本が自分の今の気持ちとリンクしたり。
ぱらりと気ままに立ち読みしてみたり。そこにははんこのコーナーがあったりして。

そんな、小書店が恵比寿の真ん中にぽっと現れます。

<あまのさくやさんからのメッセージ>

少し長くなりますが、今回の個展に向けた気持ちを書いてみます。

『絵はんこ作家』として活動していた私・あまのさくやですが、ここ数年は特に、はんこだけで語りきれないことたちがたくさん増えてきました。

ひとつは、チェコ共和国が大好きで、追い続けてはんこを彫り続けてきたら、『チェコ親善アンバサダー』という肩書きもいただくようになりました。そして人の話をじっくり聞くのが好きで、ときに『インタビュー』もするようになりました。
そんな活動をしていると、「何をやっている人なの?」と尋ねられることもしばしばです。

そのように活動していくうちに、私は「はんこだけ」を作りたいわけではない。私ははんこと言葉も合わせた、本を作りたいぞ!と思うようになりました。そして大胆にも書店まで開きたくなってしまったわけです。

書店の店主がはんこ作家だった
私は、行けば興味をくすぐる何かが必ずある書店という存在が大好きです。中でもセレクトされたような書店は、どうにも店主の個性や偏りが、コーナーや品揃えから見える。私はそんな偏った棚を眺めるのが好きで。

だからこの「小書店」も、立ち寄った書店の店主が、たまたまチェコ好きのはんこ作家だった。そんな偏った書店にしたい。そんなふうに気軽に、立ち読みをする感覚で寄っていただきたいなと思っています。

エッセイを書いています
そして実は、今回のひとつの展示の中心として、『エッセイ』を書いています。

これは、絵はんこ作家として活動してきた自分としては大きな挑戦です。
しかも題材は……父。そして母のこと。
きわめて個人的な話を個展でするのか?という葛藤もなくはなかったです。

2016年にこのギャラリーで、「生きている」というタイトルの個展をしました。それは、亡くなった方をテーマにした内容で、亡くなったという事実はありながらも、どこかでその人が「生きている」。そういう景色を描いた版画作品の展示を行ったのです。
……でもそのときは、その2年後に、自分の母を亡くすことになるとは思っていませんでした。

人はいつか死ぬということは知っていたつもりだったけれど、まさか2年後だなんて。

そしてさらに父は、数年前から若年性の認知症を患っていました。

現在進行形で、物語は続く
そんな、母の病気と、父の介護に向き合った日々のことをつづったエッセイを書いています。

一見重たく見える題材かもしれません。でもこれは、漫画や絵はんこも入れて、私なりに自分が笑えるためにつくったもの。だからこそ、ふだんなら介護関連の本を手に取る機会がないであろう同年代の方にも、読んでみてもらいたい。それが私が30代で直面したことへの意味なのではないかと今では思っています。

若年性認知症を患った父は、数年前とはずいぶん変わってしまったけれど、どこかすっとぼけている言動がときどき笑える。そんな父との日常を中心に、30代そこそこの私へ怒涛のように押し寄せた出来事を書き留めています。

だからこのエッセイは、「完結」していません。まだまだ生活も人生も続いていくからこそ、まだこの本を完成させたくないのです。

そんな未完成なエッセイも並ぶ書店です。
ぜひぶらりお立ち寄りください。

あまのさくや

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